日本企業が実際に求めるJLPTレベルとは?
Team KakehashiX

これは私たちが最もよく受ける質問で、たいていは同じ形でやってきます。「N4しか持っていないのですが、応募してもいいのでしょうか」
その背景には、いつの間にか広まった思い込みがあります。日本企業はN1を持っていないと見てもくれない、という思い込みです。そのせいで、誰も求めていない資格を待ちながら応募を何年も先延ばしにしてしまう人がいます。
そこで私たちは、推測ではなく実際に数えました。本記事では、KakehashiXに掲載中の34件の求人(2026年8月時点)を分析し、実際にどのレベルが求められているのか、どの職種で、どのくらいの給与なのかを見ていきます。
結論から言うとN3
34件の募集のうち、24件がJLPTレベルを明記しています。内訳は次のとおりです。
レベル | 求人数 | 主な職種 |
N1またはN1〜N2 | 7 | シニア通訳、事業開発 |
N2 | 6 | 営業、カスタマーサービス、ゲストリレーション、リーシング |
N3 | 9 | 教師、工場通訳、事務、エンジニア |
N4 | 2 | 営業スタッフ、エンジニアリングのインターン |
指定なし | 10 | ホテル、小売、クリニック、リモートのエンジニアリング |
最も多く求められているレベルはN3であり、N1ではありません。さらに10件はJLPTに一切触れていません。
N1を取ってから応募しようと待っているなら、今応募できる求人の3分の2を見送っていることになります。
N5とN4 — 壁ではなく入り口
N5について正直に言えば、応募要件として登場することはほとんどありません。その役割は採用されることではなく、自分が本気だと確かめること、そして上のレベルで土台になる文法を固めることにあります。
N4は事情が違います。現在募集中の2件が受け入れています。
• Sales Staff (Japanese Speaker) — PT. Maeda International Indonesia · 中央ジャカルタ · IDR 570万〜850万
• Software Engineer Intern(有給インターン) — PT HiThink Technology Indonesia · 南ジャカルタ
共通しているのは、どちらの職種でも日本語が仕事の主役ではないという点です。中心にあるのは営業やコーディングで、日本語は業務の一部を占める社内コミュニケーションに使われます。こうした企業が低いレベルを受け入れるのは、入社後に伸びることを前提にしているからです。
N4の方に朗報です。今すぐ応募できます。来年ではありません。
N3 — 最も求められているレベル
9件と、どのレベルよりも多い数字です。それには理由があります。
N3は「まだ勉強中」から「仕事で使える」へと切り替わる地点です。日常的な社内会話についていけて、業務指示を読め、日本人上司の意図を一文ずつ訳してもらわなくても捉えられるようになります。
募集中のN3求人の例
• Finance & Accounting Assistant Manager — PT Toyota Housing Indonesia · DKIジャカルタ · IDR 1,000万〜1,500万
• Quality Control Admin — PT. SKK KAKEN DISTRIBUSI · チカラン · IDR 600万〜650万
• Japanese Teacher — NLEC Indonesia · ガディン・セルポン · IDR 400万〜500万 · パートタイム
• Software Engineer (Japanese Speaking) — PT HiThink Technology Indonesia · 南ジャカルタ
• Japanese Interpreter — PT. Surya Toto Indonesia Tbk. · タンゲラン
• Japanese Interpreter — PT. Topsystem Asia Base · MM2100、チカラン
• Japanese Language Instructor (LPK) — PT Memanfaatkan Karir Indonesia · タンゲラン
• Japanese and BIPA Language Teacher — Tensai Nihongo Bunka Gakuin · カラワン
• Japanese Language Teacher — Megumi Center Indonesia · 南ジャカルタ · 正社員およびフリーランス
給与レンジを見てください。IDR 400万〜1,500万と、同じレベルの中で大きな開きがあります。差を生んでいるのは資格ではなく、職種です。Toyota HousingのFinance Assistant Managerも、パートタイムの教師も、同じN3を求められながら給与はまったく異なります。
ここが多くの人の見落とす点です。JLPTは扉を開けますが、契約書に書かれる金額を決めるのは、言語以外に持ち込める専門性です。
N2 — 業界の事実上の標準
6件。標準と呼べるレベルがあるとすれば、これです。N2は、付き添いなしで取引先や顧客、日本人経営層と直接やり取りすることを企業が任せられる地点です。
そして、当サイトで最も高い給与が並ぶのもこの層です。
• Japanese Call Center Customer Service — TP Indonesia · ジャカルタ · IDR 2,000万〜2,500万
• Leasing Sales Senior Assistant Manager — PT Tokyu Land Indonesia · ジャカルタ · IDR 1,500万〜2,000万
• Japanese Communicator — PT. Transcosmos Indonesia · ジャカルタ/スマラン/ジョグジャカルタ
• Supervisor Sales B2B - Japanese Speaker — PT Niitaka Japindo Makmur · 南ジャカルタ
• Guest Relation Staff (Japanese Speaker) — PT TTL RESIDENCES · リッポ・チカラン
• Indonesian–Japanese Interpreter — PT Shinbashi Human Resources Indonesia · 日本・埼玉
最後の1件は注目に値します。勤務地は日本そのもので、求められるのはN2 — N1ではありません。
N1 — そして給与についての意外な事実
7件がN1、またはN1・N2いずれかを求めています。そのほとんどが通訳職で、日本人経営層とインドネシア人チームをつなぐ唯一の橋渡し役となる仕事です。誤訳がそのまま誤った判断につながります。
• Japanese Interpreter Staff — PT. Uni-Charm Indonesia Tbk · 東ジャワ州モジョケルト
• Japanese Interpreter Admin — PT YKK AP INDONESIA · バンテン州タンゲラン
• Japanese Interpreter — PT Daiwa Life Next Indonesia · DKIジャカルタ
• Japanese Interpreter — PT Shinbashi Human Resources Indonesia · ジャカルタ
• Japanese Instructor — PT Shinbashi Human Resources Indonesia · ジャカルタ
• Japanese-Speaking Business Development Manager — VenturesLink · ジャカルタ · IDR 600万〜1,000万
この最後の金額を、先ほどのN2のセクションと比べてみてください。N1を求めるBusiness Development Managerの給与はIDR 600万〜1,000万、一方でN2を求めるコールセンター職はIDR 2,000万〜2,500万です。
これをそのままお見せしているのは、データ全体の中で最も重要な教訓だからです。N1だからといって自動的に給与が上がるわけではありません。給与を決めるのは、業界、勤務時間、責任の重さ、そして言語以外の専門性がどれだけ希少かです。
もちろんN1にしか開けない扉もあります。特に製造や法務の通訳では、一語のニュアンスが数千万ルピアのコストを左右します。ただ、N1を追いかければ給与が自動的に上がるという期待は、データが裏づけていません。
JLPTに一切触れていない10件
全体の3分の1近くを占めるにもかかわらず、求職者が最も見落としているのがこのグループです。
• Sales & Marketing for Retail Solution — PT KAWAJUN Indonesia · ジャカルタ · IDR 780万〜1,400万
• Secretary & General Affairs Officer — PT MC Urban Development Indonesia · ジャカルタ
• Japanese Language Teacher — PT Indonesia Research Institute · ボゴール県
• Cloud Support Engineer (Azure) — Staffinc · フルリモート
• Japanese Interpreter — Miseum Dermatology Clinic · ジャカルタ
• Guest Service Staff — PT TTL RESIDENCES · リッポ・チカラン
語学力を気にしていないという意味ではありません。資格よりも面接を信頼しているということです。多くの場合、日本語での短い会話で直接確かめられます。
試験のスコア以上に話せる人にとっては、ここが最大のチャンスです。
最も高くつく失敗は「待つこと」
JLPTは年に2回しか実施されず、結果が届くのはおよそ2か月後です。「N2を取ってから応募しよう」という判断は、数週間の遅れでは済みません。ほぼ1年を失うことにもなりかねません。
一方で、日本語が最も伸びるのは毎日仕事で使っているときであって、部屋で一人で勉強しているときではありません。
今N1を持っている人の多くも、N4からキャリアを始めています。彼らは待ちませんでした。
企業がNの数字以外に見ているもの
• 会話力。 JLPTは話す力を一切測りません。N2の応募者が、会話のできるN3の応募者に面接で負けることは珍しくありません。
• 敬語。 日本人の面接官が最初に気づくのが敬語ですが、試験ではほとんど問われません。
• 業界用語。 製造や会計の専門用語はJLPTの出題範囲にありませんが、現場では毎日使われます。
• 学ぶ姿勢。 日本企業は一貫して、完成されていても変わろうとしない人より、伸びようとする人を選びます。
次にとるべき具体的なステップ
1. まず自分のレベルを確認し、募集中の求人一覧を開いて、今すでに条件に合う求人がいくつあるか数えてみてください。N3なら、おそらく10件以上あるはずです。
2. 今のレベルより一つ上の求人にも応募してみてください。多くの企業は最低レベルを必須条件ではなく希望として書いています。特に日本語が主要業務でない職種ではその傾向が強まります。
3. 読むだけでなく、話す練習を。面接を最も左右するのは会話力であり、最も後回しにされているのも会話力です。
4. 実務経験でプロフィールを厚くしてください。語学レベルが同じ2人なら、専門性がはっきりしている方が選ばれ、給与も高くなります。
本記事のデータはすべて、2026年8月時点でKakehashiXに掲載されていた求人に基づいており、今後変動します。 最新の求人を見る · 企業を探す
著者について
Team KakehashiX
Contributing writer at KakehashiX, sharing insights on Japan-Indonesia professional connections and career development.





